リフレッシュ休暇とは?制度の概要、メリット、導入のポイントを解説

リフレッシュ休暇とは?制度の概要、メリット、導入のポイントを解説
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リフレッシュ休暇とは?制度の概要、メリット、導入のポイントを解説

従業員の心身の疲労回復を目的とするリフレッシュ休暇。近年、導入が進んでいるこの制度は、従業員のみならず企業にとっても多くのメリットをもたらします。

この記事では、リフレッシュ休暇の概要や有給休暇との違い、企業が導入するメリット、制度設計のポイント、そして実際の導入事例などについて解説します。

目次

リフレッシュ休暇とは?

リフレッシュ休暇は、従業員の心身のリフレッシュや疲労回復を図るために、企業が付与する休暇のことです。厚生労働省では、「職業生涯の節目に勤労者の心身の疲労回復等を目的として付与される休暇」と定義しています。

厚生労働省「令和7(2025)年就労条件総合調査の概況」によると、リフレッシュ休暇を導入している企業は全体の15.4%です。導入している企業はまだ多くはないものの、人材の確保や定着が経営課題となっている昨今、注目を集めています。

有給休暇との違い

リフレッシュ休暇と年次有給休暇(有給休暇)の最大の違いは、法律上の付与義務があるかどうかという点です。

有給休暇は、労働基準法で定められた「法定休暇」であり、企業は一定の要件を満たす労働者に対して付与する義務を負っています。一方、リフレッシュ休暇は法律で義務付けられていない「特別休暇」にあたり、制度を導入するか、どのような内容にするかは、企業の裁量に委ねられています。

企業がリフレッシュ休暇を導入するメリット

リフレッシュ休暇の導入は、企業にとってさまざまなメリットをもたらします。ここでは、代表的な4つのメリットを紹介しましょう。

人材定着率の向上

リフレッシュ休暇がもたらすメリットのひとつは、人材定着率の向上です。

リフレッシュ休暇によってまとまった休みが取れたら、従業員はプライベートの時間が確保でき、仕事とのメリハリがつけやすくなります。従業員の企業に対する満足度や帰属意識が向上することで「この会社で長く働きたい」という気持ちにもつながり、離職率の低下が期待できます。

人材の採用・育成には時間やコストがかかるため、現在在籍している従業員に長く活躍してもらうことは、経営上の大きなメリットです。その意味でも、従業員が定期的にリフレッシュできる環境を整えることは、人材定着のための有効な投資ともいえます。特に、優秀な人材の流出を防ぐ観点からも、リフレッシュ休暇は有効な手段となりえます。

メンタルヘルス対策

リフレッシュ休暇の導入によって、メンタルヘルス対策も期待できます。

従業員が高いモチベーションと能力を発揮し続けるには、心の健康を維持することも欠かせません。日々の業務による疲労やストレスが蓄積すると、メンタルの不調につながるリスクが高まります。リフレッシュ休暇を従業員が活用し、一定期間仕事から離れる時間を過ごすことで、疲労やプレッシャーをやわらげられるでしょう。

採用活動での訴求力向上

リフレッシュ休暇の仕組みを整えることで、「従業員を大切にする企業」という印象を求職者に伝えやすくなり、採用活動における訴求力が向上するメリットもあります。

採用市場の競争が激しさを増す中、給与だけで優秀な人材にアピールすることは難しくなっています。特に近年は、ワークライフバランスや働きやすさを重視する求職者は増えており、休暇制度の充実は人材獲得における差別化要因となるでしょう。

生産性の向上

リフレッシュ休暇を通じて、心身の疲れをリセットできれば、従業員が新たな気持ちで業務に向き合えるようになり、生産性の向上も期待できます。

また、休暇を取得するにあたっては事前の業務引き継ぎが必要になることも多く、それを機に既存の仕事の進め方が見直せるという効果も期待できるでしょう。その結果、仕事の属人化を解消でき、チームとしての業務効率化が促進されるケースも少なくありません。

リフレッシュ休暇の制度設計のポイント

リフレッシュ休暇を導入する際は、制度の仕組みを適切に設計することが重要です。ここでは、リフレッシュ休暇の制度設計のポイントを2つご紹介しましょう。

取得条件や付与日数を決める

リフレッシュ休暇を導入する際は、まず取得条件や付与日数を明確に定める必要があります。

取得条件は、自社の実情に合わせて自由に設定することが可能です。付与日数は企業によってさまざまですが、「勤続5年で5日」「勤続10年で10日」といったように、在籍年数の節目に応じてまとまった休暇を付与する形が一般的となっています。

休暇の使い方については、リフレッシュという本来の目的を果たすものであれば、基本的に従業員自身の裁量に委ねるケースがほとんどです。旅行や趣味、帰省など、従業員それぞれの事情に合った形で活用できるよう、細かな使途を限定せずに運用している企業も少なくありません。

有給・無給の取り扱いを決める

リフレッシュ休暇中の給与支払いについては法律上の定めがないため、有給とするか無給とするかは各企業の判断に委ねられています。自社の人事方針や人件費負担、制度の利用促進といった観点を踏まえて、どのように扱うか決めましょう。

ただし、無給とした場合は、経済的な負担を理由に取得をためらう従業員が生じやすく、モチベーションの低下や制度の形骸化につながるおそれがあります。制度を設けても、十分に活用されなければ効果は得にくいため、法定の有給休暇の付与日数とは別に有給扱いとして運用することが一般的です。

リフレッシュ休暇の形骸化を防ぐために必要な取り組み

リフレッシュ休暇制度は導入しただけでは十分とはいえません。従業員が実際に活用しやすい環境を整えることではじめて、制度本来の効果が期待できます。ここでは、従業員が実際に活用できる環境を整えるために必要な取り組みを4つご紹介します。

制度内容をきちんと周知する

リフレッシュ休暇を形骸化させないためには、まず従業員全員が制度の存在と内容を正確に把握していることが前提となります。取得条件や付与日数・給与の取り扱いといった基本事項については、定期的にアナウンスするようにしましょう。

特に、利用資格が発生するタイミングが近づいている従業員に対しては、個別に通知する仕組みを設けることも有効です。さらに、制度の利用イメージが湧くように、実際にリフレッシュ休暇を取得した従業員の体験談を社内報や朝礼などで共有することも、取得促進につながります。

上司が率先して取得し、休みやすい風土を作る

上司が率先してリフレッシュ休暇を取得し、その姿勢を明確に発信することは、休暇を取得する文化を社内に根付かせるのに効果的です。こうした行動は、従業員が休暇取得に対して抱きがちな心理的なハードルを下げ、リフレッシュ休暇制度の定着につながるでしょう。

利用しやすいルールづくりや運用を行う

リフレッシュ休暇が形骸化しないよう、利用しやすいルール設計や運用体制を整えることも大切です。

例えば、特定の時期に取得が集中すると業務に支障が生じるおそれがあるため、取得時期を分散させるルールを設ける企業も見られます。数ヵ月前からの事前申請を義務付けたり、取得可能な時期を部署ごとに調整したりする仕組みにするのもいいでしょう。

また、業務の性質上、連続した休暇の確保が難しい部署の従業員に向けて「分割取得」を認めるなど、柔軟な運用を取り入れるという方法もあります。一律のルールにこだわるのではなく、各部署や従業員の実態に即した運用にすることも大切です。

取得率や満足度を定期的に把握し、改善につなげる

リフレッシュ休暇制度は、導入したら終わりではなく、実際にどの程度活用されているかを継続的に把握することも重要です。取得率の推移をモニタリングしたり、アンケートを通じて従業員の満足度や利用上の課題を集めたりすることで、問題点が明らかになります。

得られたデータ、意見をもとに、必要に応じて付与条件や運用ルールを継続的に改善すれば、より実効性の高い仕組みにすることができるでしょう。

リフレッシュ休暇の導入事例

最後に、実際にリフレッシュ休暇を導入している企業の事例を3つ紹介します。リフレッシュ休暇制度を設計する際の参考にしてください。

アミタホールディングス株式会社

循環型社会の実現に向けた事業を展開するアミタホールディングス株式会社では、リフレッシュにとどまらず自己研鑽を目的とした利用も認める「ライフワーク休暇」を導入しています。年間10~14日を有給で付与しており、入社直後の新入社員も対象となっている点が特徴的です。

最低3日以上の連続取得が条件となっているため、断食道場への参加や国内スタディツアーへの参加など、日常では体験しにくいユニークな挑戦を行う従業員も多くいます。

※参考:厚生労働省「特別休暇制度導入事例集」、アミタホールディングス株式会社「アミタの働き方

株式会社オンザページ

ブライダル事業を中心に展開している株式会社オンザページでは、「仕事と休みのメリハリをつけてほしい」という考えから、リフレッシュ休暇制度を導入しています。勤続3年ごとに30日間というまとまった連続休暇を有給で付与しており、従業員が十分に心身をリセットできる機会を設けています。

利用目的は一切問わず、海外・国内旅行をはじめ、子どもの看護や遠くに住む親の介護など、個々の事情に応じたさまざまな用途で活用できる制度です。休暇中に海外の結婚式場を視察したり、一流レストランで質の高いサービスを体感したりするなど、休暇での経験が業務の質の向上にもつながるケースも見られます。

※参考:厚生労働省「特別休暇制度導入事例集」、株式会社オンザページ「働く環境を知る

株式会社東陽理化学研究所

金属製品の製造や表面処理を行う株式会社東陽理化学研究所では、20年以上前からリフレッシュ休暇制度を運用しています。勤続20年で3日以内、30年で5日以内、40年で7日以内の連続休暇を取得可能です。

休暇対象となる従業員には書面による個別通知を行い、長く企業に貢献してきた従業員が休暇を取りこぼさないように配慮しています。書面はそのまま申請書として使用でき、申請手続きの手間を最小限に抑えている点も特徴です。

※参考:厚生労働省「特別休暇制度導入事例集

まとめ

  • リフレッシュ休暇とは企業が任意で付与する心身の回復を目的とした特別休暇で、法定義務である年次有給休暇とは異なる
  • リフレッシュ休暇の導入は、人材定着率の向上、メンタルヘルス対策、採用訴求力の強化、生産性向上といったメリットを企業にもたらす
  • リフレッシュ休暇の制度設計においては、取得条件や付与日数、有給・無給の取り扱いなどを、自社の実情に合わせて明確に定めることが重要である
  • リフレッシュ休暇の形骸化を防ぐには、制度内容の周知徹底、休暇を取りやすい企業風土づくり、柔軟な運用ルールの整備、取得状況や満足度を踏まえた定期的な改善が求められる
監修
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渋田貴正(しぶた たかまさ) 税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士の4つの資格を保有。上級相続診断士®。富山県生まれ。東京大学経済学部卒。大学卒業後、大手食品メーカーや外資系専門商社にて財務・経理担当として勤務。在職中に税理士、司法書士、社会保険労務士の資格を取得。2012年に独立し、司法書士事務所開設。
税理士登録後、税理士法人V-Spiritsグループの創設メンバーとして参画。著書に『はじめてでもわかる 簿記と経理の仕事 ’22~’23年版』(成美堂出版)がある。

    
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